時に浸る

ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで20歳の日本人男性が優勝したそうです。
テレビで優勝者の辻井さんが演奏している映像が何度も流れましたが、その中にベートーヴェンの「熱情」を演奏している映像がありました。

それでふと、しばらく聴いていなかったグレン・グールドのCDを思い出し、久し振りに聴いてみました。
久し振りに聴くと、「あれ?こんなに『口ずさみ』が聞こえてたっけ?」とか、「あれ?思っていたよりは柔らかい音だったんだなぁ。」とか意外な感想をもちました。

演奏はもちろん強烈な印象を残すのですが、CDジャケットの写真も、何かパブロ・ピカソの「青の時代」の自画像のような、独特の強い印象を残します。

G.グールド

グールドのこのCDは、受験の頃に鬱屈した暗い気分にさらに深く浸るような感じでよく聴いていました。
「熱情」は第1、第2楽章があまりにテンポが遅いので、よく飛ばして第3楽章だけを聴きました。
他のピアニストの「熱情」も聴きましたが、第1、第2楽章はともかく、第3楽章はグールドの演奏が当時の暗い気分に特別にマッチしたので、何度も聴いた記憶があります。

というわけで、初めてベートーヴェンの「熱情」を聴く方にはおすすめできませんが、時には音楽を聴いて暗~~い気分に浸りたい方におすすめしたいCDです。