福岡市中央区天神に「赤煉瓦文化館」という建物があります(重要文化財・旧日本生命保険株式会社九州支店)。
明治・大正期の日本建築界の権威で、佐賀県唐津出身の建築家・辰野金吾の設計です。
那珂川の河畔でかなりの異彩を放っている洋風建築ですが、ここで建築家・武田正義さんの作品展示が行われていたので、先週土曜日に見てきました。
武田さんは故・丹下健三氏に師事された後、海外でのご活動を経て、現在福岡市の事務所を拠点に活躍されています。
最近は竹や土壁や漆喰の壁等を使った環境にやさしい住宅の設計をされていて、展示会場では大分県日田市の左官職人・原田進さんとのコラボレーションワーク等が紹介されていました。
原田さんのお弟子の職人さんが漆喰の壁についてなど、色々と説明して下さいました。
土壁や漆喰の壁等とは縁の薄い生活をしている現代人の私ですが、それらの匂いやテクスチャーにはどこかなつかしく、ほっとする感じがします。
自然素材がもつ優れた物理的機能の力もさることながら、匂いや手触り、風合いが心に及ぼす癒しの力は思う以上に大きいのかもしれない、等と考えました。
ところで、赤煉瓦文化館ですが、内外ともにとてもきれいに修繕・保存がされていて、居心地よい建物でした。様々なイベントの会場や展示会場、文学資料館として今も使用されているそうです。
単に文化的遺産として建っているだけでなく、今なお使用され、生き続けている建物なんですね。