音楽と絵画

ビートルズのアルバムCD

昨日(6/2)にNHKのBSプレミアムで放送された特集番組「ザ・プロデューサー ~ビートルズサウンドを支えた男 ジョージ・マーティン~」がとても面白かったので、久し振りですが、ブログに書いてみます。

ビートルズという奇跡は、あまたの歴史的事件と同じく、まさに出会うべき人たちが出会い、生じた奇跡だと思うのですが、番組はその事件のど真ん中にいた5人のうちの1人である、プロデューサーのジョージ・マーティンにスポットをあてた番組でした。

ビートルズの音楽にマーティンがどの様に関わっていたのかを、かなり深いところまで想像させてくれる内容なのですが、その中で個人的に最も印象的だったのが、マーティンが1つの曲を1枚の絵画と同じように考えていた、というくだりでした。

エドガー・ドガの画集を眺めるマーティン・・・

「ドガは、絵画とは、それを見ている人が自由に解釈するものでなく、画家の意図を反映させたものだ、と言った。
ある意味で私たちは音で同じことをしている。
レコードというのも、それを聴く人が自分で勝手に聴く音ではなく、作り手が聴いてほしい音でなければならない。
音楽も絵画も、人生を映し出す鏡の様なものでなければならない。そこにあるものをただとらえただけの写真とは違う。
だから絵画は写真よりも深みを与えてくれる。」

このマーティンの哲学から数々の傑作が生まれたのだ、ということがビーーンッ!と解った気がしました。
と同時に、何故絵画は写真よりも深みを感じさせるのかということを、逆に音楽家のマーティンの言葉からはっきりと納得させられた気がしました。